健診結果でSOSをキャッチ!「血中脂質編」
こんにちは。
今回は、健診結果でSOSをキャッチ!第3弾の「血中脂質」編です。
脂質は、体になくてはならない重要な栄養素のひとつで、
血液中に含まれる脂質を「血中脂質」といいます。
❖脂質のはたらき
●コレステロール: からだを構成する細胞膜や、ホルモン、胆汁酸などの原料 ●中性脂肪: 体内にストックされるエネルギー源、体温の保持・衝撃の保護に必要な皮下脂肪
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☞体内で脂質がうまく処理されない、食事からとる脂質が多すぎるなどにより、血中脂質が基準値から外れる状態を、脂質異常症といいます。
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❖脂質異常症は動脈硬化の最大の危険因子
脂質異常症は、それ自体に自覚症状もなく放置されがちです。
しかし、確実に動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患のリスクを高めます。
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❖血管の状態を知ろう
自身の血管の状態を知るために、下記でセルフチェックしてみましょう!
🔎診断の目安 |
検査項目 | 検査値 | 脂質異常のタイプ |
LDLコレステロール (悪玉コレステロール)
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140mg/dl以上 | 高LDLコレステロール血症 |
120~139㎎/dl | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
40mg/dl未満 | 低HDLコレステロール血症 |
中性脂肪 (トリグリセリド) |
150mg/dl以上 | 高トリグリセリド血症 |
※LDLコレステロール… 肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っており、 増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を発症させる、悪玉コレステロール
※HDLコレステロール… LDLコレステロールとは反対に、余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える、善玉コレステロール
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🔎生活習慣チェック表 |
☑ バラ肉やひき肉、ウインナーやベーコン等の加工肉をよく食べる ☑ 魚や大豆食品を食べることが少ない ☑ 菓子パンや調理パンをよく食べる ☑ 野菜・キノコ類・海藻類を食べることが少ない
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🔎「LH比」のチェック |
LH比 | 血管内の状態 |
1.5以下 | きれいで健康な状態 |
2.0以上 |
コレステロールの蓄積が増えて、動脈硬化が疑われる |
2.5以上 |
血栓ができている可能性あり。 心筋梗塞のリスクもあり。 |
※「LH比」とは LDLとHDLのバランスを示す指標。LH比=LDL/HDL 基準値:2.0以下(数値が高いと動脈硬化のリスクが上がります。
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❖再検査・精密検査について
異常値があった場合、基本的に血液検査が必要です。
異常値であるからと言って、必ずしも生活習慣の乱れが原因とは限らず、女性は年齢の上昇とともにコレステロール値が上がる場合があるほか、甲状腺や他機関の異常が原因の場合もあります。また「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝性の脂質異常の場合もあり、肥満ではなく運動習慣もあり、食生活に気をつけていても血液中のLDLコレステロールが細胞に取り込まれにくくなり、血液中のLDLコレステロール濃度があがることがあります。
原因を見つけるために、甲状腺や肝機能など他項目も一緒に検査し、また健康診断の結果をもとに普段の食生活・生活習慣などを診察時に確認します。
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❖脱・脂質異常症!生活習慣の改善ポイント
☝ポイント① コレステロールが過剰に作られないように、食事に気をつけよう
☝ポイント② LDLコレステロール(悪玉)値を下げるために、不飽和脂肪酸をとろう (大豆油・菜種油・ごま油・豆腐・味噌・油揚げ・魚介類・魚の卵など)
☝ポイント③ HDLコレステロール(善玉)を増やすために、運動をしよう
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❖予防には、日々の意識と「できることから」が大切
🥄食 事 |
●栄養バランスを考え、3食規則正しく食べましょう ●脂肪の質と量に注意 →脂質の中でも、飽和脂肪酸はコレステロール値を上げる原因のため摂りすぎに注意(肉の脂身・バター・ラード・ココナッツオイルなど) ●魚類や大豆製品の摂取回数を増やす ●食物繊維は十分に摂る ●肉は脂肪の少ない部分を選び、肉や卵の摂取回数を減らす ●牛乳などの乳製品の摂りすぎに注意(1日200g程度) ●コレステロールを多く含む食品を控える →卵黄、肉の脂身、レバーやモツ等の内臓類、魚卵や魚の内臓、たらこ、塩辛、ししゃもなど ●食行動を見直す →・よく噛んでゆっくり食べる ・まとめ食い・ながら食いをさける ・終身2時間前は飲酒を控える
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🏃運 動 |
運動の効果 ●中性脂肪の減少 ●善玉コレステロールの増加 ●体力や筋肉の維持
「ちょっときついくらい(心拍数110~120程度)」の有酸素運動を30分/日程度、行うことが目安です。
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まずは続けることから!15分以上続けることで、効率よく脂肪が燃焼されるようになります。
強度が弱いものから始め、徐々に自分に合う運動に変えていく方法など、続けやすい方法を見つけてくださいね。