8月10日は「健康ハートの日」
心臓は一生にどのくらい打ち続けるかご存じですか。
90歳まで生きるとして、1分間に70回、70回×60分×24時間×365日×90年で、ざっと33億回です。
日本心臓財団・日本循環器学会では、8月10日が810(ハート)と読めることから、
この日を「健康ハートの日」と定め、その日を中心として、
生活習慣の改善を中心とした心臓病予防啓発活動を行っています。
心臓病は単に高齢によるものだけではなく、生活習慣に原因があるケースも多くみられ、
高齢者だけでなく、若者や働き盛りの壮年層にとっても無視できない病気です。
「健康ハートの日」はこうした生活習慣を見直し、血圧などをチェックすることで、
暑い夏の一日を「こころとからだの休日」となるよう願ったものです。
♥夏も油断は禁物!脱水がまねく心筋梗塞 |
心筋梗塞は冬季に多く発症する傾向があることが知られていますが、連日厳しい暑さが続くこの時季にも油断は大敵。
暑さでたくさん汗をかくと、体内は水分不足となり、血液が濃縮されて血栓がつくられやすい状態になり、
特に高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなど動脈硬化のリスクが高い人では、心筋梗塞につながることがあるのです。
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♥心筋梗塞ってどんな病気? |
心筋梗塞とは:
心臓は「心筋」と呼ばれる筋肉でできており、心筋に酸素や栄養を運ぶ太い動脈を「冠動脈」といいます。
冠動脈の内部が、動脈硬化などの影響で狭くなったり塞がったりしてしまうと、
心筋に酸素や栄養が届かなくなり、狭心症や心筋梗塞といった心臓病を引き起こします。
血流が絶たれることで心筋が壊死(局地的に組織が壊死してしまうこと)し、
その影響で心停止に至ることもあります。壊死した心筋は元に戻ることはありません。
時に命にかかわる心筋梗塞は、症状に早めに気づいて対応することが何より大切です。
心筋梗塞の主な症状 |
●胸の中央部を中心に、突然焼けつくような激しい痛みが起こり、安静にしていても30分以上続く ●肩や背中、首などに痛みが現れることがある ●持続的な胸痛とともに、動悸、息切れ、冷や汗、脱力感、不安感などがみられる ●嘔吐や呼吸困難、失神を伴うこともある ●前触れとして、狭心症の症状(数分間の胸部の痛みや重苦しさ)がみられる人もいる
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★人によっては痛みがはっきりしなかったり、症状が軽いこともありますが、自覚症状の強さと病気の重症度は必ずしも一致するとは限らないため、「このくらい大丈夫」「朝まで様子をみよう」と我慢するのは禁物です。
上のような症状があれば、迷わず救急車を手配するなど、すぐに受診するようにしてください。
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♥こまめな水分摂取で夏の心筋梗塞を防ごう |
夏季に起こる心筋梗塞は、発汗・脱水を契機にして発症することが少なくないことから、比較的年齢の若い人(50歳未満)にも発症しやすいことが特徴です。
血圧も安定し、動脈硬化もないのに救急搬送されるケースがあるのです。
血管内の脱水が起こるのは若い人も中高年や高齢者も同じということです。
高齢になればなるほど、喉の渇きを感じにくくなりますが、昨今、コロナ禍においては若い人でも喉の渇きを感じにくくなっています。
その大きな原因は、マスク。
マスクをしていると口の周りに湿気がこもり、喉が渇く感覚を鈍らせるのです。
若いから、体力があるからとの過信は、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になってしまいます。
炎天下での活動やスポーツの前後に限らず、屋内でも意識して水分摂取を心がけましょう。
また、喫煙習慣や肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、心筋梗塞の危険因子として知られています。
該当する人は、こまめな水分摂取はもちろん、できることから生活習慣の改善を始めてみましょう。
水分補給には、水やミネラルを多く含む麦茶やスポーツドリンクがおすすめです。
ただし、スポーツドリンクには糖分も入っていますから、飲み過ぎには注意が必要です。
逆に水分補給に適していないのは、アルコールやカフェイン入りのコーヒー、緑茶などで、利尿作用があるので、すぐに排泄されてしまいます。
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♥健康ハート10カ条 |
日本心臓財団では、よい生活習慣として健康ハート10ヵ条を提唱しています。
1 血圧とコレステロールを正常に。(太りすぎ、糖尿病には注意して) 2 脂肪の摂取は、植物性を中心に。 3 食塩は調理の工夫で、無理なく減塩。(1日、6g未満を目標に) 4 食品は、栄養バランスを考えて。(1日、30食品を目標に) 5 食事の量は、運動量とのバランスで。甘いものには要注意。 6 つとめて歩き、適度な運動。 7 ストレスは、工夫をこらして上手に発散。 8 お酒の量は、自分のペースでほどほどに。 9 タバコは吸わない。頑固に禁煙。 10 定期健診忘れずに。(毎年一度は健康診断)
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♥脚は第二の心臓 |
忘れてはならないのがふくらはぎです。
脚力、特にふくらはぎの筋力には、縮んだりふくらんだりを繰り返すことで静脈を刺激し、血液を心臓へ送り返すポンプとしての役割があるため、「脚は第2の心臓」 と言われています。
ふくらはぎの筋力を維持することも、心臓病を予防するためには大切な要素になります。
まず、歩くこと。
そして、できるだけ座っている時間を減らし、小刻みでも良いので、立つ、歩く、座る等を繰り返し行うことです。
座っている時間が長いと筋力が低下し、重力に抗うこともないため全身活動量も増えません。
筋力をつけるために、つま先立ちやかかとを着けた状態でつま先を上に伸ばす運動は、簡単にでき、効果的で、座ったまま・何かをしながらでもできる運動です。
8月10日だけではなく、もっと心臓に興味をもって心臓病にならない生活習慣を継続していきましょう。