夏に注意する病気・体調変化
夏、主に高温多湿な環境による様々な体調不良や病気が発生しやすくなります。
夏に起きやすい病気や体調不良を予防し、元気に夏を過ごしましょう!
【熱中症】
月から急増し、7月、8月にピーク!ただし、初夏や残暑も急激な気温上昇時は注意が必要。
●こんな症状に注意
頭痛、めまい、吐き気、筋肉痛、けいれん
初期症状に気づいたら早めに涼しい場所へ移動し休養しましょう。
重症化すると意識障害を生じ、大変危険です。
●救急車要請のタイミング
自力で水分を取れない、意識が混濁している⇒迷わず119番!
休養しても改善しない場合も受診しましょう。
◎予防
①当日の熱中予報をテレビなどでチェック!
②作業前に体調をチェックする。風邪気味、寝不足、二日酔いなど体調が思わしくない場合は、無理をせず炎天下での作業は控えたり、休憩を多めにとること
※特に、一人で屋外作業する時は絶対に無理をしない!
③炎天下での作業時は、30分毎にコップ1杯分(150ml~200ml)の水分を取る
④塩分もとる・・・塩飴、梅干しなど
⑤風通しがよく、乾きやすい素材の服装をする
【食中毒】
高温多湿となる夏場は、細菌性食中毒が発生しやすい!
昨年の食中毒の病原菌別時件数では、アニサキス(寄生虫)、カンピロバクター(細菌)、ノロウィルスが多く、その他、ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌も多く報告されています。
《食中毒予防の3原則》
① つけない!(手洗い、調理器具の洗浄)
② 増やさない!(適切な保存方法、冷凍、冷蔵)
③ やっつける!(加熱や冷却など)
※お弁当持参の方は、手洗いなどを徹底して調理し、水気の少ないおかずにする、涼しいところで保管するなど、気を付けましょう。
【害虫等による受傷】
ハチなどが活発に活動する夏は、アウトドアの機会も多く、虫や動物による受傷も増えます。
◎スズメバチ・・2回目以降の蜂刺されで血圧低下や呼吸困難をきたすアナフィラキシーショックを起こすことがある。
⇒山間部で肌を露出しない、事前に病院に相談しておく
刺された後、息苦しさや発疹、意識障害がある場合、ただちに救急車を
◎ヘビ・・傷口の上部を圧迫止血、消毒。できればヘビの写真を持参して病院へ。
◎クラゲ・・患部に酢やアルコール、50℃以上のお湯をつけると毒が失活しやすくなる。
【夏風邪(感染症)】
夏かぜは腹痛や下痢など胃腸症状が出やすいのが特徴です。
夏に流行しやすい感染症には、
ヘルパンギーナ(高熱とのどの奥に水疱ができる)、
手足口病(手や足の裏、口に水疱ができる)、
プール熱(目が赤くなる、高熱、のどの痛み、下痢)
があり、主に子供に多く発症しますが、免疫力の落ちている大人がかかることもあります。
【尿路結石 痛風】
夏はビールがおいしい季節です!
が、ビールやお酒では水分補給はできません。利尿作用があるため脱水になりやすくなります。
脱水になると、「尿路結石(腰や背中の痛み、排尿時痛)」が起きやすくなります。
また、ビールやお肉、魚卵、カニなど「プリン体」を多く含む食品をとりすぎると、
足の親指の付け根などが腫れて痛む、「痛風発作」が起きることがあります。
普段から健診で「尿酸」の項目が高値の方は要注意です。
お酒を飲むときも、水分をしっかりとり、
枝豆や豆腐など野菜も一緒にバランスよく食べましょう。
【夏バテ】
日本の高温多湿の夏は、身体に負担がかかりやすいといわれます。また、暑いからと必要以上にエアコンを効かせてしまうのも体調変化をきたしやすくなります。夏の暑さで体力を消耗し、倦怠感、食欲不振などの体調不良が出ることを「夏バテ」といいます。
◎対策
①十分な休養:睡眠をしっかりとる。
就寝時の温度は28℃に設定し直接冷風にあたらないようにする。
②適度な運動:日中の暑い時間帯を避けて体を動かし、体力をアップ。
日ごろから汗をかく軽い運動をすることは、熱中症予防にもなる
③規則正しい食事:3食バランスよく。また、暑いからと冷たいものばかり取りすぎていると、
体の冷えやむくみがおきやすくなります。
④お風呂に入る:冷房で体が冷える場合は、シャワーだけでなく湯船につかりましょう。
◎おすすめの食事
タンパク質、ビタミンB1、ミネラルを含むものが疲労回復、夏バテ予防に良いと言われます
例)豚肉、枝豆、ウナギ、雑穀米、きなこ
【紫外線対策も忘れずに!】
紫外線が強くなる初夏~夏場。油断しているとひどい日焼け(肌のヤケド)をすることがあります。炎天下での作業時は日焼け止め、衣服での紫外線対策を忘れずに。
紫外線は、白内障など眼の病気の原因にもなります。帽子やUVカット眼鏡も用意しましょう。
赤くなった日焼けはこすらずに冷やして炎症を抑え、保湿剤をぬりましょう。
痛みがあったり、水ぶくれができた場合は皮膚科を受診しましょう。