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気になる病気のトピックス「糖尿病」

「血糖値が高めと言われた」…健診のあと、そんな会話に心あたりはありませんか?

すっかり秋も深まり、寒さも出てきた11月です。

11月14日は世界糖尿病デー。血糖値が気になる方も、そうでない方も予防の参考になる内容ですので、是非ご覧ください!


 

 

 🍂「血糖値」とは?

 

血糖値とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を表す数値です。人の体は、血糖をエネルギー源として活動していますが、エネルギーとして利用しきれないと高血糖の状態になります。血糖値は食事や運動などにより変動しますが、高血糖の状態が続くのが「糖尿病」で、その数は予備群を含めると今や全国で推計2,000万人以上。世界的にも4億人以上の人が糖尿病を抱えており、その数は増加の一途を辿っています。

そのため、WHO(世界保健機関)とIDF(国際糖尿病連合)は、11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、糖尿病の予防、啓発活動を行っています。(日本でもこの日を含む1週間が「全国糖尿病週間」)

 

 

 

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 🍂「血管病」としての糖尿病

 

糖尿病がこわいのは、血糖値が高くても、初期にはほとんど自覚症状がないことです。そのため、健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されても、ついそのままにしてしまいがちです。しかし、血糖値が高い状態が長く続くと、やがて全身の血管が傷んで、様々な血管の病気を招きます。つまり糖尿病は「血管病」とも言えるのです。

糖尿病によって生じる血管病には、細い血管がもろくなって生じる「細小血管症」と、太い血管が硬く狭くなることで生じる「大血管症」があります。たとえば腎臓の血管が傷つくことで起こる「腎症(糖尿病腎症)」は細小血管症で、成人の人工透析導入理由の第一位となっています。人工透析が必要になれば、多くの場合、週3回・1回4時間程度を透析施設のベッド上で過ごすことになり、日常生活に大きく影響します。糖尿病は命にかかわる病気ではないと思われがちですが、糖尿病の人は、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な大血管症を起こしやすくなります。

 

糖尿病によって引き起こされる血管病

 

●細小血管症慢性的に血糖値が高い状態が続くことで、腎臓の糸球体や眼の網膜などの細い血管が影響を受ける
→腎臓の病気(腎症)、眼の病気(網膜症)、末梢神経の障害により、足のしびれや痛み、たちくらみや排尿障害が起こる(神経障害)

●大血管症(大血管障害)慢性的に血糖値が高い状態が続くことで、動脈硬化が進みやすくなり、太い血管の病気につながる
→狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などのリスクが高まる
→神経障害に加えて足の血管の動脈硬化が進むと、痛みを感じにくいため、足にできたちょっとした傷も、時に潰瘍や壊疽(組織が死んでしまうこと)が起こり、足の切断が必要になることもある

資料:スマート・ライフ・プロジェクト (厚生労働省)

 

 

 

 

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 🍂新しい合併症「がん・認知症」

 

近年、がんと認知症についても、糖尿病の合併症との関連性が考えられるようになってきました。なかでも肝臓がんは2.0倍、すい臓がんは1.9倍、大腸がんは1.4倍と、それぞれ危険性が高まるとみられています。まだ糖尿病自体ががんの原因となるかどうかについてはわかっていませんが、仮に糖尿病ががんリスクを高めているとしたら、いくつかの理由が考えられます。

①炎症

2型糖尿病がある方では、無症状ですが全身に慢性的な炎症がみられることがあります。慢性の炎症は、発がんのリスクになると考えられています。

 

② 血糖値が高いこと

高血糖そのものによる酸化ストレスなどが発がんに関係する可能性があるといわれています。

 

③ 血液中のインスリン濃度が高いこと

2型糖尿病がある方の多くは、インスリンが効きにくくなっているために血液中のインスリン濃度が高くなっています。血液中の過剰なインスリンは発がんに関与する可能性があると考えられています。ただし、インスリン注射により発がんが増えることは否定されています。

 

一方で糖尿病とがんは、加齢、肥満のほか、不適切な食事(赤肉・加工肉の過剰摂取、野菜・果物・食物繊維の摂取不足)、身体活動量の低下、喫煙、過剰飲酒といった生活習慣を危険因子とする点で共通しており、糖尿病患者におけるがんリスク上昇がみられる理由である可能性が指摘されています。

認知症では、アルツハイマー型の危険性が2.1倍に高まるとの報告があります。インスリン抵抗性があると血液中のインスリン濃度が高くなることで、アルツハイマー型認知症の関連物質の体からの除去を妨げてしまう可能性が指摘されています。             

(国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターより)

 

 

 

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 🍂糖尿病が疑われる症状

 

・尿の量やトイレの回数が多くなる

・のどが渇きやすく、すぐ水分を摂りたくなる

・疲れやすくなる

・しっかり食べているはずなのに体重が減少する

→血糖値が高めで、症状に複数心当たりがあれば、一度医師に相談してみましょう

 ※症状がはっきりと現れない人もいます。

 

 

 

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 🍂糖尿病は予防できる!

 

糖尿病にはいくつかのタイプがありますが、日本人に圧倒的に多く、全体の90%以上を占めるのは、生活習慣が深く関係して起こる「2型糖尿病」と呼ばれる糖尿病です。このことは、食事の内容や運動不足の解消など、生活習慣を見直すことで予防・改善が期待できることを示すものでもあります。
 肥満やメタボリックシンドロームは糖尿病を発症しやすくするため、過食を避けてバランスのよい食事を心がけ、手軽に始められる運動を習慣化して、適正な体重を維持しながら、血糖値も適正な状態に保っていきましょう。
 また、血糖値が高めと指摘されたり、症状に心当たりがあれば、早めに医療機関に相談しましょう。今までの食習慣や生活のスタイルを変えるのは簡単なことではありませんが、早め早めに対処することが、糖尿病を予防したり悪化させないために一番大切なことです。医師と相談し、自分に合った無理のない方法で予防・改善を目指しましょう。

 

 

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