更年期障害の話②
2月に引き続き、更年期障害についてお伝えします。
今月は「女性の更年期障害」にフォーカスを充ててお伝えします。
女性のライフステージにおいて、更年期障害は多くの女性が直面する
大きな健康課題と言えます。
身近な健康問題を知り、対策してまいりましょう。
🍓更年期障害とは |
日本人女性の閉経平均年齢は50~51歳です。
一般的には閉経を挟んだ45歳~55歳の約10年間を「更年期」と呼び、その時期に現れる不調などを指して更年期障害と呼んでいます。
閉経年齢には個人差があり、40代前半で始まる人もいます。
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🍓更年期障害が起こるしくみ |
更年期障害は、閉経にともない卵巣の働きが衰え、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が急激に減少することで起こります。
🌼代表的なエストロゲンの働き |
💪女性の身体全体の健康を支える
|
①エストロゲンの分泌量が減少する
⇓
②今までエストロゲンによって調節されていた
からだのいろいろな機能がうまく働かなくなる
⇓
③エストロゲンが低下すると脳は卵巣に対して、
もっとエストロゲンを出すようにシグナルを送る
⇓
④その際にシグナルが周囲の脳に不要な興奮を起こしてしまうことで、
自律神経の調節がうまくいかなくなる
⇓
⑤エストロゲンの急激な減少に体がついていけず、神経の調節不良や心身の不調が起こりやすくなる状態になる
⇓
日常生活にまで影響を及ぼす不調を更年期障害と呼びます。
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🍓更年期障害のさまざまな症状 |
●のぼせ・ほてり・発汗
いわゆるホットフラッシュと呼ばれる代表的な症状。
急に顔が熱くなったり、汗が止まらなかったりする。
自律神経の調節がうまくいかず、血管の収縮・拡張のコントロールができなくなることが原因。
●イライラ
ちょっとしたことで不安になったり、イライラしたり、感情の起伏が激しくなり怒りっぽくなる。
●動悸・息切れ
急に心臓がドキドキしたり、突然、息が苦しくなったりする。
●疲れやすい
「何もする気が起こらない」「疲れてだるい」という症状も更年期障害特有のもの。
●肩こり
更年期になって首や肩こりがひどくなる人は多く、自律神経の乱れが症状を強めることがある。
●うつ状態・不安感
専門家の診察で、うつ病か更年期障害によるうつ症状か区別ができる。
●頭痛
更年期によって起こる頭痛は、脳血管の血管壁の痙攣や収縮によって起こるとも言われている。
まずは、受診し重大な病気でないことを確認したほうが安心。
●腰痛
更年期障害以外に、卵巣腫瘍などの恐れもあるので、早めの受診が必要。
また、腰痛は更年期からよく見られる閉経後骨粗しょう症と関係している場合がある。
●不眠
加齢によって血管の収縮や拡張のコントロールがうまくいかないために起こるが、
更年期障害によっても起こることもある。
★職場への影響
・業務への支障:集中力や判断力、記憶力、意欲の低下による業務効率の低下
・周囲との関係悪化:イライラなど精神の不安定さから不用意な言動を取ってしまう
▶更年期障害とよく似たまぎらわしい症状もあり、中には重篤な病気に発展する恐れのある症状もあるため、 自分で更年期障害と判断せず、まずは病院で正しい 診断をしてもらうことが大切です。
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🍓更年期障害の治療 |
症状が強く、日常生活に支障をきたす場合は、薬による治療を検討してみましょう。
少量のホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)が有効で、その他にも精神症状が強い場合は向精神薬や漢方による治療も行われます。
⚠若い人にも増えている、ホルモンバランスの乱れ
近年、閉経がまだ先であるはずの若い世代にも、更年期障害と似たような症状に悩む人が増えています。
生活環境、例えば極度の冷えや食生活の偏りなどによってホルモンのバランスが崩れ、月経不順が起きたり、自律神経が乱れたりするためです。
若いから、と安心してはいられません。
これから迎える妊娠・出産などのためにも、そのままにしないで、早めにお医者さんに相談しましょう。
身近であるために、病院に通うことをためらう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
健康的に過ごすためにも、無理せず一度相談してみることも大切です。