健康診断でSOSをキャッチ!「肝機能」編
こんにちは。梅雨が本格化し、ジメジメした毎日ですね。
突然ですが、皆様、健康診断の結果はきちんと見ていますか?
見てもよくわからないところがある…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、健康診断結果からみる「肝機能」についてお話ししたいと思います。
◆肝臓の主な働きって? |
①体に必要な蛋白の合成・栄養の貯蔵
②有害物質の解毒・分解
③食べ物の消化に必要な胆汁の合成の分泌
胃から運ばれてきた食べ物を貯める→アルコールなどの分解→体や消化に必要な成分の合成・分泌
という風に、肝臓は栄養素の生産、リサイクルの中心を担っています!
◆肝臓の健康状態がわかる主な検査値 |
健康診断結果の【肝機能】の欄・下記項目で基準値を上回っていると、以下の病気が考えられます。
AST(GOT) 基準値:30U/L 以下 |
ALT(GPT) 基準値:30U/L以下 |
γ-GT(GTP) 基準値:50U/L以下 |
・肝臓疾患(肝炎、肝硬変 脂肪肝、肝臓がん) ・心臓疾患(心筋梗塞、心筋症) ・骨や筋肉の疾患 など |
・急性・慢性肝炎 ・アルコール性肝炎 ・薬剤性肝障害 ・肝硬変 ・脂肪肝 ・肝臓がん など
|
・アルコール性肝障害 ・脂肪肝 ・胆汁うっ滞 ・原発性胆汁性肝硬変 ・胆石症 ・胆道閉塞 など |
◆お酒や脂肪肝の影響だけじゃない、肝機能の検査値が表すもの |
肝機能障害の原因は、
・アルコールの長期摂取によるアルコール性肝障害
・B型・C型肝炎ウイルスによる肝炎や、薬剤の服用によって起こる薬物性肝障害
・非アルコール性脂肪性肝炎(NAFLD)
・自己免疫の異常による自己免疫性肝障害
など、さまざまです。
また、多くはないですが肝臓以外の病気でも肝機能の異常地として現れることがあります。
基準値を超えている方で、受診や精密検査が必要と判定された方は、まずその指示に従いましょう。
肝臓の病気は発症初期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。
体調に変わりがないからと放置せず、病院でさらに詳しい検査を行った上で結果を確認することが大切です。
(ほかにも、ALP・LDH・総ビリルビン・総蛋白・アルブミンなどの項目も肝機能に関係するため併せて総合的に判断されます。)
◆生活習慣に心あたりのある方は…「飲みすぎ・食べ過ぎ」に注意 |
●心がけたい生活習慣●
①お酒の飲みすぎに注意!
禁酒でストレスがたまるようなら、節酒を心がけてください。
疲れがたまると肝臓への負担がかかりやすくなるので、休肝日も忘れずに!
②高脂肪な食事を避け、バランスよく食べる
糖分や脂肪が多い食べ物に偏らないよう、バランスよく食べましょう。
③運動習慣を身に付ける
適性体重の維持は、脂肪肝予防につながります。
④ストレスや疲れを溜めない
肝臓はデリケートな臓器。日頃から十分な休息と睡眠をとって、無理のない生活を送るようにしましょう。
◆精密検査、治療が必要と判定されたら受診が必要です |
精密検査は、人間ドック・健康診断で検出された異常値が具体的にどのような原因疾患によって引き起こされているか、治療が必要かを確認するための検査。
精密検査の判定が出た場合、速やかに専門医を受診して原因を知ることが大切です。
もし、ウイルスによるものや、他の病気による原因がある場合は専門医の指示に従い、定期的な検査や治療を受けましょう!
項目 |
要経過観察 (生活改善/再検査) |
要医療 (D1要治療/D2要精検) |
AST(U/L) | 36~50 | 51以上 |
ALT(U/L) | 41~50 | 51以上 |
γ-GT(U/L) | 81~100 | 101以上 |
(人間ドック学会判定基準)
⚠ 放置していると… ⚠ 自覚症状のないまま病状が進行し、肝硬変や肝臓がんなど、重大な病態に陥ること、 肝臓以外の臓器の病気が隠れていることも心配です。 上記の重大な病態まで進行すると、治療しても失った機能の回復を望めない可能性が高いです! ★適切なタイミングで受診することが大切です。 |
◆知っておきたい二次検査 |
Q.肝機能の検査は何科を受診?
専門は消化器内科です。かかりつけ医の内科がある場合は相談してみるのもよいでしょう。
また、総合病院のような規模の大きい病院に、必ずしも最初から行く必要はありません。かかりつけ医、開業医でも検査することが可能なものも多く、設備の整った病院等で検査する必要がある場合は紹介状等を出してもらい受診することもできます。
Q.すぐにでも受診したほうがいい?受診の目安
早めの受診が望ましい➡・数値は軽度の異常だが、飲酒など生活習慣の影響を疑う場合
・数値が高く支給の受診を要する場合
★経過観察判定の方は、放っておいていいということでは決してありません!
原因を振り返りできることは対処する、また思い当たる原因のない方は、いつまで、どのような方法で経過を見る必要があるのかを受診して相談することも方法の一つです。
Q.二次検査の種類は?
●肝炎ウイルス検査 :B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス
●腫瘍マーカー検査 :肝臓がんや肝硬変が疑われた場合は、AFPやPIVKA-Ⅱなどの腫瘍マーカー検査
●腹部エコー検査 :胆石や脂肪肝、がんを発見しやすく、肝機能の異常が見られた場合はほぼ行われる検査
●腹部CT/MRI検査 :血液検査やエコー検査で肝臓や堪能、簡単などの病気が歌枯れた場合、
精密検査として行われ、特に胆道系の病気が歌がれる場合MRI検査を実施
健康診断は結果を受け取ってからが健康管理のスタート!
役立てるためにも、結果(判定)には適切に対応しましょう!